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サマリア( 2004 )

サマリア
監督・脚本:キム・ギドク
出演:クァク・チミン / ソ・ミンジョン / イ・オル

公開時コピー
この痛みを抱いて生きる

切なく残酷なまでに美しい、旅立ちの物語がいま始まる…



韓国映画は好き嫌いがハッキリするんですが、この作品は「好き」の方に入ります。

入るんだけど、拍手喝采出来るかと言えばそうではない。
ここんとこが微妙。

この映画は、映画情報サイト等で新作映画として紹介されていた頃から期待していた作品。
ポスターの少女二人の表情が人を惹きつけるものがあり、少女達の座っている場所などから物語の内容を想像してみたものでした。

で、観終わってみてですね…

うーん、何て言ったらいいんだろう。

前半、いい話になりそうな雰囲気だったんだけど、話が進むにつれて何だかズレが出来てしまったような。

ヨジンの父親の行動がよくわかりません。
娘が援助交際をしているのを知った時、その相手を次々と攻撃するだけでいいんだろか?
娘を止める事もせず、娘と関係を持った男を攻撃する。
理解できなくて悩むのは、お国柄の違い?うーん…。

あげくに、男の家まで押しかけて男を殴り罵倒して…。
その男は飛び降り自殺しちゃうし。
その一部始終を見ていたその男の家族にとっちゃ、ヨジンの父親は悪魔でしかないですよ。
(この映画って、援助交際するとこんな悲劇が訪れるって警告なのか?)

公衆トイレでは、娘の相手におしっこ引っ掛けはじめるし…。
「とーちゃん、狂ったのか?」と、思わず失笑。

ヨジンに車の運転を教える父親。
警察に連行された父親を、おぼつかない運転で追いかけるヨジン。
(あんな人気のない所に子供を置いていくのか?)

道理をわかっていなければ、いつかは道で立ち往生してしまうぞ、って暗示だったんでしょうかねぇ?


ヨジンと胡散臭い作曲家の男が病院に向かう時に、急がせるヨジンとは裏腹に男は自分の車のボンネットの傷だか鳥のフンだかを気にしてみせる。
二人の心情の違いを描いている場面なのだろうが、ちょっとクドく感じてしまったのは役者の力量不足だったか。

その他にも、父親がヨジンを車の中で待つ間に車体に降りた落ち葉の枚数を他の車と対比させて時間を表現したりと演出に凝った場面も見られるのだけれど、どうもしっくりとこないのが残念。

ヨジンとチョエンの二人の演技が新鮮で目を惹くだけに、全体としては残念な仕上がりになってしまっていた。

チェヨンが死んだ後に、ヨジンがチェヨンと関係を持った男達と関係を持ち、お金を返していく。
この行動は、なんとなく理解出来たりもする。

ヨジンとチェヨンは、同じひとつのものになりたいと願っていたのだろう。どちらかが欠けてしまったために起こった悲劇。
男と一緒にいるときは、ヨジンはチェヨンであり、「バスミルダ」だった。

しかし、一人に戻った時のヨジンにはそれが重く現実となってのしかかっていく。

今のこの日、一日一日が未来への土台になっていくのだという事を考えずに生きる少女達。

その未来は、足場の脆い不確かなものでしかない。


サマリア@映画生活

COMMENT : 8
TrackBack : 7
CATEGORY : DRAMAな映画 | THEME : この映画がすごい!! | GENRE : 映画 |

COMMENT

トラバどもでした。
私は昨年見た中では、かなり苦手な作品でした。
他のブロガーの方たちには評価高い作品なんですけど、私もあの父親は理解不能でした(^^;
2006/01/08(日) 00:30:50 | URL | カヌ #-[編集]
カヌさま
こんばんは♪
女子高生の二人は、この映画がデビュー作なんですよね。
だから変な先入観なく見られたのが良かったのだと思います。
父親はねぇ…
何だかよくわからないですわ(笑)
父親が捜査していた殺人事件の犯人も、もしかしたら父親なんじゃ?と深読みしすぎてしまいましたよーw
2006/01/08(日) 19:42:37 | URL | どりぃ #-[編集]
こちらこそ、TB&コメントありがとうございます!
ほんと、主演の二人の女の子は光ってましたね♪
2006/01/08(日) 19:45:25 | URL | sabu #-[編集]
sabuさま♪
こんばんは♪
チェヨンのヨジンの二人は初々しくてよかったですよね~。
お父さん抜きに描いた方が良かったんじゃないかと思うくらいに(笑)
2006/01/08(日) 20:12:41 | URL | どりぃ #-[編集]
とおちゃん
コメ&TBありがとう。
父親は、だんだん狂って行くわけですが、娘にダイレクトに話し合えないのが、哀しいですね。母親が亡くなり、溺愛はしているのですが、コミュニケーションの仕方がわからない。だけど、「殺人犯」になてしまった自分は、一瞬、娘と(たぶん)心中しようとします。最後は、娘の成長を待つことになり、そこに一抹の救いを感じ取れます。
2006/01/14(土) 11:27:24 | URL | kimion20002000 #fOhGkyB.[編集]
kimion20002000さま
父親は、娘に嫌われる事が怖かったんでしょうね。
いい父親になるために、日頃頑張ってはいたのだろうけど。
他人は怒りにまかせて殺すことは出来ても、娘や自分を殺す事は出来ない。
人間の弱さを感じさせるような気がします。
2006/01/14(土) 11:46:01 | URL | どりぃ #-[編集]
こんにちわ。
コメントどうもありがとうございました。
「好き」やけど拍手喝采じゃないての
すごいよくわかります。すごい偏った描き方をしてますしね。
また遊びに来させてください、な。
2006/01/17(火) 05:36:56 | URL | laundry #-[編集]
laundryさま
作品自体は面白い試みをしていると思うのですよね。
でも、それが途中わけのわからない展開になってしまって、最後に復調する・・・みたいな。
あの激しさはお国柄なのかなぁと思いつつも、やはり違和感のある流れでした(汗
お返事激遅になってしまって申し訳ありませんっ
・゚・(つД`)・゚・
2006/04/10(月) 02:24:06 | URL | Ricca #-[編集]

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